ゲームのキャラクターを一生懸命考える

2008-05-28

エンターテインメントを構成する要素としては、様々なものがある。
例えば1本のゲームソフトの中にも、
音楽、映像、システム、ストーリー、
様々な要素が含まれている。

僕は中学生くらいの頃は、ゲームをつくるための三大要素は
サウンド、グラフィック、プログラムの3つだと考えていて、
これさえ極めれば最高のゲームが作れると思っていた。

しかし大人になるにつれて、「シナリオ」も重要な要素である
ということに気づいた。それがどんなジャンルのゲームであっても
シナリオがしっかりしていれば愛着も沸くし、説得力も生まれる。

だから僕は、ゲームプログラマーを目指す人間として、
その4つの要素を意識してきた。
そしてそれらをある程度は独力で創り出せるようにしようと
心がけてきた。

それはこのサイトを見ればわかってもらえるだろう。
このサイトには、つたないながらも一応
絵のコンテンツ、音楽のコンテンツがある。
また、高専本科時代に演劇部をやっているときに書いた
脚本も置いてある。
どれもレベルの低い代物だが、全くその分野を知らないよりは
少しでも経験している方が、クリエイターにとっては有利なはずだ。

そして僕は実際にゲームをつくるときに、
BGM、グラフィック、プログラムの全てを
自分一人で行っている。
これは別に集団での開発を否定しているわけではなく、
むしろ、集団の開発に入る前に、自分の能力を少しでも
上げておきたいという考えからだ。

しかしある時、僕は考えた。
ゲームを構成する要素は、果たして本当にこれだけだろうか。
もうひとつ細かく考えるとしたら、次は何になるだろうか。
世の中にあるゲームを想像しながら、僕は思いを巡らす。
そして僕はついに気づいたのだ。

僕のつくるゲームに決定的に欠けているもの…
それは「キャラクター」であるということを!

考えてみれば、流行っているゲームやアニメや漫画において、
圧倒的な人気が生まれる要因のひとつは、キャラクターだ。
特にゲームの主人公なんかはプレイヤーが実際に操作するわけだから、
思い入れも生まれやすいだろう。
漫画でも、世間一般に愛されるような作品には、
魅力的なキャラクターが多い。

それに比べて僕の作品と言えばどうだ。
まあ言うほど大して作品の数もないのだが、
シューティングゲーム?

華も無ければ、
主人公なんて無機物
じゃないですか。

一人でやるには時間がかかるので今まで手を出してこなかったが、
実はRPGの開発なんかにもちょっと興味はあるのだ。
中学生の頃はよくRPGツクールなんかでゲームを作って
友達にやらせたものだ。

よし、次のステップとして、キャラクターを作ろう。
例えばRPGに出てくるような、魅力的なキャラクターを考案しよう。
そう考えて僕は、意気込んで机に向かった。

しかしここで最大の問題が立ちはだかる。
キャラクターを構成する上で、
最も印象的で重要な要素は、造詣だ。
つまり「見た目」が大事なのである。
そしてそれを考えるには、絵の技術が必要になる。

…そうなのだ。
今まで僕はプログラミングの勉強はしてきたが、
絵の勉強は全くしてこなかった。
授業中にノートの端に落書きをするくらいである。
そんな僕が絵なんて描いてみろ。

前回のやつ

前回の記事「カレーとラーメンの二重性」より。

…こんな感じになってしまうではないか。

参ったぞ。僕の画力では、ろくなキャラクターは描けそうにない。
世の中には絵のうまい人なんてたくさんいるんだ。
ゲーム開発の世界だって脚光を浴びるのはきっと、
地味なプログラマより、キャラクターデザインの人たちなんだ。
くそー、イラストレータの人たちめ!
いい仕事しやがって!

いや、しかしここで諦めては僕は凡人のままで終わる。
重要なことはできるかできないかではなく、
できるまでできるかできないか、なのだ。

よし、今いいこと言ったぞ僕。

考えろ。頭を使うんだ。
一学生がどれだけ頑張ったところで、
大勢のプロが創り出すものには到底及ばない。
しかし優れたアイディアがあれば話は別だ。
一人の光り輝くアイディアは、時として企業の労働力を凌駕するのだ。

まずは世の中にある人気キャラクターの要素を挙げるんだ。
手始めに、わかりやすい「主人公」から。
カッコいい主人公には、どんな要素がある?
そう、例えば…

■ 髪の毛がツンツンしてる
■ 特徴的で強力な武器や技をひとつは持っている
■ ここぞというときに、絵になるポージング
■ それでいて憎めない

そうだ。僕は冷静に考えた。
そしてそれをひとつずつ形にしながら、
震える手で描く絵に、盛り込んでいった。
僕の思いが、イメージが、アイディアが、今、形になる。

そしてできたのが、このキャラクターだ!!

大根使いのサブロー

大根使いのサブロー。(主人公)

…うん。これはね、でっかい大根っていう印象的な武器をね
何このカリスマ性のなさ。

違う。
一生懸命描いたのだが、何らかのベクトルが決定的に違っている気がする。
いやいや、初めから主人公なんて荷が重すぎたのかもしれない。
そこで僕は、主人公の次に来る
「2番手」のキャラクターを考えることにした。

二番手(相方)のキャラクター。ワンピースで言えばゾロ、
ルパン三世で言えば次元、といった位置づけのキャラクターだ。
ものによって色々なタイプがあるが、次のことが言えそうだ。

■ 居なくても何とかなるが、居ると心強い
■ 万能型の主人公に対して、クセのある能力を持っている
■ みんなに愛される主人公に対して、コアなファンを持つ
■ 主人公と性格が異なる

…なるほど。冷静に分析してみると、
「主人とタイプが逆」「ひとクセある」
といった性質が一般的に多いようだ。
例えば主人公がアツいやつだったら、二番手はクールなやつで、
主人公が無口なやつだったら、二番手が代わりにたくさん喋る、
といったケースが多いということ。

よし、さっきの「大根使いのサブロー」は
特攻型っぽいイメージだったから、今度は
「落ち着いた感じ」「ひとクセある感じ」
のキャラクターを考えるぞ!

かんぽっくりの松田

かんぽっくりの松田。(二番手)

なんか… なんか違うんだよなぁ…

ええとこれは、普段はかんぽっくりに乗っているため
うまく歩けないんだけど、本気になるとかんぽっくりを脱いで
普通に強くなるっていう斬新なやっぱ違うわ。

きっと僕にはまだ、圧倒的に経験値が足りないのだろう。
初めからそんな素晴らしいキャラクターを生み出せるわけがない。
何度も何度も、試行錯誤が必要なのだ。
とにかく失敗を恐れずに、挑戦することが大事なのだ。

では、主人公、二番手ときたら次はなんだろうか。
そう、「紅一点」女性のキャラクターだ。
一般的に、男性でキャラクターの絵を描く人というのは
女性を描くのが好きらしいが、
僕は女性の絵を描くのが苦手だ。
これは今まで以上に気合を入れて臨まなければならない。

せっかくだから今度は、世間一般のイメージよりも
自分の好みを反映させてみよう。
昨今の女性キャラクターというのは活発な性格をしているものが
多いような気がするが、僕個人としては
もう少し、か弱い感じの方が好きだ。
何というか、物理防御力が低いような感じ。
FFで言えば、白魔導士みたいな。

なんかこう、はかない感じがいいよな。
はかないと言えばなんだろう。
うーん、思いつかない。
強いて言えば、「マッチ売りの少女」とか?
マッチ売りの少女のイメージをベースに考えてみるか。

あと、今までのがサブローとか松田とか和風な感じだったから、
それがいけなかったのかもしれない。
今度はファンシーと言うか、いかにも作り物っぽい格好をさせてみよう。
あと女性が男性よりも背が高いと、男性は悲しくなるよな。
僕も背が低いから、その気持ちの切実さはよくわかる。
よし、じゃあ思い切ってすごく小さくしてみよう。
ほら、ハムスターとか小鳥とか、小さいものってかわいいじゃないか。
もういっそ、妖精みたく手のひらサイズとかにしてみるか!?

と、こうやって考えたことを全部盛り込んだ結果、

小さなマッチ売りの少女

小さなマッチ売りの少女。(紅一点)

…逆にマッチでかッ!!

でかいよ、マッチがでかすぎるよ。
女の子を小さくしたつもりが、
人間の思考の適応能力を考慮していなかったために、
逆にマッチがすごいでかい感じになってしまったよ。

これじゃ、はかないどころか、
なんかすごい放火魔か何かに見える。
白魔導士っていうか、これじゃ黒魔導士だ。
ファイガとか使うタイプだよ、この人。

…人間、努力だけではどうしても超えられない壁が
あるのかもしれない。
僕なんかがキャラクターの絵を描くなんてことは、
おこがましすぎることだったのかもしれない。

もうこのあたりでやめた方がいいのかも、と思う。
そりゃ、ここまで来たら4人目の、
「パーティのまとめ役」みたいなのが
必要だと思って、

黒板消しのジョー

黒板消しのジョー (まとめ役)

とかも考えたけど、それも公開しない方がいいのかもしれない。

今度から時々でいいから、
上手な絵の手本を見ながら、
絵の練習でもしようか。
そしていつか、もう少し自分の絵がまともになったときに、
もう一度キャラクターの考案に挑戦しようかと思う。

そうして僕は、ノートを閉じようとした。

…あ、でもせっかくだからアレだな、
味方のキャラクターだけじゃなくて、
敵キャラ(ラスボス)も考えておくか。

やっぱラスボスとかが弱々しいと、げんなりするよな。
ゲームのボスだったら、やっぱりこう巨体で、威圧感がないとな。
あと最近の敵キャラって、ただ単に邪悪なだけじゃなくて、
そいつなりのエピソードとか持ってたりするよな。
倒さなきゃならないけどそいつなりの理由がある、みたいな。
場合によっては敵キャラの方が人気あったりすることもあるしな。
敵なのになんか愛着が沸いてしまう、ってのもいいな。
あとラスボスって、空飛んでることが多い気がする。
でっかい翼が生えてたりすると、かっこいいよな。
あと純粋な強さを持ってたりするな。
ラスボスだったら姑息な手段を使わなくても、
正攻法な感じで強大なパワーを持ってたりするもんだよな。

よし、「愛される敵役」を考えるぞ!
今考えたようなことをうまく組み合わせれば…

組み合わせれば…!

愛される敵役

…だからさ。
こういうことではないんだよ…

何事も挑戦だと思って、僕は今回の試みを行った。
しかしその結果がこれだ。まともなキャラクターなんて、
一人も作れなかったじゃないか。

やはり僕一人の力でRPGを作るなんて、到底無理だったのだろうか。
もし僕が今の力量のまま、RPGを作ったらどうなるのだろうか。
少し考えてみた。

俺式ファンタジー/イメージ図

正統派RPG「俺式ファンタジー」画面イメージ

なんだこのゲーム超やってみてぇ。

こういうくだらない発想から、価値あるものが生まれる可能性もある。
やっぱり何事も、実際にやってみることが大事だと思うんです。
これからも初めからダメだと決め付けないで、
色々なことに挑戦するよう心がけて頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。