就職活動レポート(3) 2次面接 ~ 3次面接

2009-03-01

以下に、二次面接と三次面接でされた質問と自分の応答を示す。
面接官の口調や相づちなどは完全に再現してはいないが、
大体の雰囲気は伝わると思う。

質問を文字で書くと少し冷たい印象を受けるかもしれないが、
ここの会社は全て(少なくとも僕の場合は)圧迫感が一切ない面接だった。


1.二次面接

二次面接の日は学校で研究の中間発表があったので、
発表をしてから会社に向かう、という形になった。
どちらもスーツだったので着替える面倒はなかったが、
一日にふたつの予定があるというのは少し落ち着かないものである。

二次面接以降は全て個人面接だった。
二次は、僕一人に対して二人の面接官がついた。
システムのマネージャークラスの方たちだった。
時間枠は、30分。

二人とも、僕が一次面接で提出した自己アピール資料のコピーと、
履歴書のコピーを手元に持っていた。

以下、水色が面接官、うすい緑色が僕の発言だ。

「じゃあ… 最初に簡単な自己紹介みたいなものをしてもらえますか」

「はい。自分は木更津高専専攻科の、制御情報システム工学専攻
というところから参りました、小山達矢といいます。
普段からものをつくることが好きで、
趣味はゲームプログラミングや演劇などです。

今日は是非、等身大の自分を見て頂いて、
ご判断頂ければと思います(笑)」

「わかりました(笑)。」

その後、資料を見ながら技術的な話題にうつる。

「こういうのって、何か工夫してるところありますか」

「ゲームなので、処理速度には大分気をつかってますね。
例えばこれなんかは、常にCPU使用率を表示したりしてますし…
あんまり普通のゲームでは無いと思うんですけど」

「たしかに無いですよね。
…処理速度を上げるために、何か技術的なことは?」

「そうですね。描画処理でちょっと工夫をしたり、
オブジェクトが少ないときは負荷が小さくなるように設計したり…
あと速度とはちょっと違うかもしれないですけど、
よくあるタスクシステムみたいなのを自分で組んで、
メモリを食ったり、処理の効率が悪くならないように配慮はしています」

「なるほど… やっぱりゲームとかって
グラフィックスとかが重かったりすると思うんですけど…」

「そうですね、大半は描画処理で時間を食いますね」

「処理の高速化のために、その…解像度落としたりとか、するんですか」

「解像度は落とさないですね… やっぱりゲームって見た目が大事なんで。
どちらかというとフレームレートの方を落とします。
あと、これはDirectXで作ってるんですけど、
環境によって、フォントの描画が凄く重くなることがあったんです。
かと言って日本語のフォントを全て画像で持っておくのも大変なので…

僕の場合は最初の1回だけ仮想の画面に文字を描いて、
その後はそれをグラフィックスとして描画するようにしました。
要は全体で見た処理の負荷が下がるように。
そういうことをやったりしています。」

「なるほど。
…あれですか、友達とかにもこういうのやる人はいるんですか」

「それが、あんまり居ないんですよね…。
高専だからやっぱりプログラムとか好きな人はいるんですけど、
ウェブプログラミングとか、そういう専門的な感じで…
ゲームを作ってるって人は、なかなか居ないんです」

「そうなんですか」

「もちろん、ゲーム作ってなくてもゲーム好きな友達は居るんで、
やってもらって意見もらって参考にしたり、とかはありますけど。」

「わかりました。じゃあ次は、学校での研究のことを聞いていいですか」

「はい。研究は、パターン認識の分野ですね。
ツールとしては、ニューラルネットワークだとか
遺伝的アルゴリズムだとか、知能システムよりの
ものを使ってやってます」

「そういうのって、やっぱり結構やり尽くされちゃってる観が
あると思いますけど、どういう工夫をしてます?」

「実は、それは僕自身も思っているところがあります。
例えば僕の場合は、顔画像を食わせて表情認識、みたいな
適用をしてるんですけど、その… 今の世の中って、
もう顔認識できるビデオカメラとか普通にあるじゃないですか」

「そうですよね」

「だから、逆にもうすでにある顔認識の技術をツールとして
使ってしまって、それを評価値にして進化計算を行う、
とかそういった応用ができないかなって考えてます。

うちの学校は学位授与機構みたいなのがあって、どうしても
無難な論文を書かなきゃならないから一応建前上は
ありふれたパターン認識をやってるんですけど…

例えばコンピュータが認識した笑顔の量を評価値にして、
“コンピュータが人を笑わせる”コンテンツを生成するとか、
そういう進化計算とか創発的な分野ってのが
これから注目されてくると思っているので…

今はそういうことができないかなーと、
教官と一緒に企んでいる段階です」

「なるほど、いいですね。
研究でもプログラムを書いたりしますか?」

「そうですね。そこに書いてあるようなツールを作ったり…」

「ああ、これですか。これって、Windowsですか」

「そうですね。VisualC++とDirectXです」

「いや、今って普通に Windows でもできるんだなぁと思って。
大体どこも Linux というか…」

「もちろん授業では Linux を使ってますし、
実際ほとんどの人が研究も Linux ですけど…
僕の場合は途中経過をグラフィカルに表示したかったので、
それを実現するのに Windows が都合がよかったって感じですね」

話題は他に受けている会社のことにも移った。

「他にはどんな会社を受けているんですか?」

「まだエントリーしたくらいで始まってはいないんですけど…
他には大手のゲーム会社さんを受けようと思ってます。
やっぱりゲームは得意分野なんで、無難に…」

「大手って言うと、例えば○○さんとか?」

「いや、○○さんはなくて、○○さんとか、○○さんとか」

「何故そこを選んだ、って言うのは?」

「んー、まあ中小とかだと結局外注のコーディングだけになっちゃいそうだし、
それなら大手のゲーム会社の方が自分のやりたいことと合っているかなと。
自分は新しくて面白いものを作りたいなって考えているので」

「あー、そういう考え方なら確かに○○さんは違うのかな」

ここで面接官の方は以下のようなことを言ってくれた。

「うん、うちも結構自分で考えてやっていかなきゃならないような仕事だから、
ゲームプログラミングとかそういうのとは、通ずるところがあると思いますよ。

結構自分の考えで色々できるから、エンジニアとしてはいい職場だと思います」

これはなかなか嬉しい言葉だった。
あと他にされた質問は、以下のようなもの。

「こういうのって、いつ作ってるんですか」

「まあ夜寝る前の数時間とか、毎日少しずつですね。
アイディアを思いついたときはガーっとやるので、
ちょっと波はありますけど。」

「やっぱりこういうのやってると、アルバイトとかってのは難しいんですかね」

「いや、アルバイトはやってました…」

(履歴書を見て、)
「あ、これですか。」

「巻き寿司を作るバイトと、パン屋の接客を1年ずつと、
あと今は、知り合いからFlashゲーム制作などの仕事を、
数ヶ月に1本くらいもらってやったりしています」

質問は大体これくらい。後は逆に質問ができる時間だった。
まだ二次面接ということもあって、自分はよくある定番の質問をしておいた。
いわゆる

「学生のうちにやっておくべき技術的なことは、
さっきの話からするとやはり、○○とかですかね」

などという質問だ。
向こうはエンジニアの人なので、満足のいく回答が得られた。

と、こんな感じで二次面接は終了。
最後はエレベータまで面接官が送ってくれた。

その日は帰ってから、友人たちの中間発表打ち上げに参加した。
二次面接が好感触だったこともあって、その日は少し飲みすぎてしまった。

酒をいくら飲んでも平静を保ち続けることで定評のあるN野君を、
お酒に関しては素人である僕ごときが
少しでも酔わせてみたいと思ったのが間違いだった。

ヘロヘロになって帰ったら、家の前の竹やぶに突っ込んだ。
お酒は怖い、と思った。
社会人になったら、お酒を飲む機会が増えるだろうから気をつけよう。


2.三次面接

二次面接は12月の下旬だったため、
三次面接までは年末年始をはさむ形になった。

三次面接の日程は年明け、学校が始まった翌日だった。
友人と話ができたので、学校が始まった後だったのはよかった。

三次面接の面接官はエンジニア系ではなく、人事の取締役の方だった。
時間は同じく30分。
三次の面接官の方が他の面接官と違ったのは、
会話の中で多く、僕の名前を呼ぶことだった。

「レジュメ見たけど、小山さんってバリバリのエンジニア系なの?」

「まあそういうことになりますかね…
普段よくやっていることがプログラムとかなんで」

ここでいきなり鋭い質問だな、と思うことを聞かれる。

「それっていうのはどっちなのかな。小山さんがプログラムとかできたのは、
生まれもってのものだったのか、人に教えてもらってできたのか。」

「うーん… 自分はどちらかと言うと、趣味で始めて独学で、
手探りでやっていったようなところが大きいと思いますが…
自分がこういうのをできたのは、こういうのが好きだったってのが
前提にあると思いますけど、ただやっぱり学校での勉強ってのも大事だと思ってて。
学校でやるような基礎ってつまらないけど、独学だと見逃しちゃいがちな
大事な部分であると思うので。

そういうのが、自分で作った大まかな知識の隙間を埋めていった、
って感じですかね。」

「うん、そうか。

小山さんって高専なんだよね…
高専って普通より長いじゃない。
高専卒ってのは何歳になるんだ…?」

「大卒と同じ年ですね。
本科が5年あって、その上の専攻科2年間を進んだので」

「ああ、5+2 で 3+4 と同じってことか」

「はい」

「どういう風に業界選んでるの? ってか、何でここ知ったの?」

「まあもともと○○が有名ですから名前は知っていましたけど、
一番興味を持ったきっかけは、○○ で ○○社長を見かけたことですかね。
言動を見てて、あー、こういう人のところで働きたいなって思いました」

三次面接では、専門的なことよりも一般的な質問の方が多かった。

「小山さんが今まで出会った中で“こいつはすごい”って人を自慢してくれる?」

「そうですね…
自分が一番初めに思いつくのは高専のある教官です。
その方は教授になっても常に向上心があるというか、クリエイティブなんです。

その、結構工学系の教授さんって、頭が固いというか、
割とひとつのことに固執してしまいがちな印象を受けるんですが、
その人は今でも勉強を怠らなかったり、
自分で新しい教材を作っちゃったりして、
新しいことに挑戦し続けていて凄い人だなぁと思います。

やっぱり自分も色々と影響を受けていて…
例えば僕は中学生の頃から遊びで BASIC をやっていたんですけど、
高専に入学した時にその人から
“プログラミングをやっているのか。言語は?”
と聞かれて、BASIC と答えたら、
“じゃあ BASIC はやめなさい。これからは C とか他のものをやりなさい”
っていう風に言われたんですね。

最初はいきなりそんなことを言われたのでびっくりしたんですけど、
後から考えてみると、言われてよかったなぁって思いまして。
その後の5年間でも、その、何というか、
ひとつのものにとらわれすぎないことの大切さ、
みたいなものを教わりました。

そういう意味で、その教官はすごい人物だなぁと自分は思います」

面接官は終始うなずきながら聞いてくれたが、
今から考えると「こいつはすごい」ってのとニュアンスは
若干違ったかもしれない。

後からよくよく考えてみると、友人や先輩の中にも、
色々な意味で凄いと思える人が沢山居るんだなぁ、
ってことに気づいた。

「じゃあ逆に、“こいつは殺してやりたい”みたいに思った人はいる?」

「さすがに、殺すまでは思ったことないですが…(笑)」

「まあそうか(笑)。じゃあ苦手なタイプって言ったら?」

「そうですね…。結構狭い価値観でしか物事を見れないっていうか、
自分の価値観を人に押し付けちゃうって人は、やりづらいですね」

「そうだね。…これからプロで仕事をやっていくとさ、
色々な人と合わせていかなきゃなんないじゃない。
小山さんはそういう苦手なタイプとうまくやってかなきゃならないとき、
どういう風にする?」

「自分の場合は… 一回全部その人の意見を出させちゃいますかね。
そういう人は熱くなっているときに何を言っても言葉が届かないので…
全部言うだけ言わせちゃうと、向こうも落ち着くというか、
自分の矛盾点にも気づきやすいというか…
それから、周りのみんなでその意見に対して話し合っていくみたいな、
そういう流れを作ると思います」

「まあそういうのが大事なんだろうな。

…小山さん、コンプレックスってある?」

「コンプレックスですか…。そうですね…。
あ、自分球技がめっちゃ下手くそなんですよね」

「あ、そうなの?」

「なんかセンスがないと言うか、全然活躍できないというか… 昔から。」

「それはスポーツ全般的にそうなの?」

「まあ、スポーツって大体ボール使いますよね(笑)」

「まあそうか。」

「そういう技術的センスがいらないマラソンとかは得意ですけど…
あ、でもディスク競技はまだマシだったかな」

「ディスク競技?」

「はい。あの… アルティメットなんていうスポーツ知ってます?」

「アルティメット…」

「まあ要は、フリスビー使ってやるラグビーみたいな…」

「あー。 …それは大丈夫なんだ?」

「そうですね。思った方向にディスクが飛んでいくというか…
結構走れる人が有利なスポーツなんで。
だから普段遊ぶときも、僕がフリスビー買ってきて
やろうぜ! って友達に声かけて。

やっぱり、少しでも得意なものの方がやりたいんで(笑)」

「そりゃそうだわな」

続いて、将来像に関する話題になった。

「22で新卒で入ってさ、将来30歳くらいでどんな大人になってたい?」

「そうですね… 一言で言うと、
“現実が見れて、夢も見れる大人”になりたいです」

特に準備していたわけではないが、
我ながらシャレたことを言ったと思う。

「やっぱり社会人になったら、売り上げだとか、
そういう現実的なことも見て仕事をしなきゃいけないとは思うんですけど…

ただ、学生には学生ならではのよいところもあると思うんですよね。
若い今だからこそ持てる好奇心というか…

仕事だと、やっぱり数字のとれるものを作らなきゃならないですけど、
学生だとリスクがないですから、
本当に自分のやりたいことをやれるじゃないですか。

自分が大人になったときには、シビアなことをちゃんと考えながらも、
今持っているような夢とか好奇心とかを忘れない、
そんなエンジニアになりたいと思ってます。」

「そうか。じゃあさ、そうなったときの世の中が
どんな風になってたら、ハッピーだと思う?」

「そうですね… もっと情報の見通しがよくなってたらいいですかね。
今って、ネットが普及して色々なものが出てきて面白いと思うんですけど、
ちょっと情報が多すぎるような気がするんですよね。
自分が本当に知りたい情報にアクセスしにくいというか…

世の中って、探せばその人にとって面白いものって沢山あると思うんですけど、
でも探せないと、その面白いものに出会えないじゃないですか。
自分は探してると思い込んでても、もしかしたら死角にもっと面白いものが
隠れているかもしれない。

そういう情報を得るまでの敷居の高さみたいなものを無くせるような、
情報の見通しがよくなるようなシステムみたいなものが出来たら、
もっと世の中がうまく回っていくんじゃないかなぁと思います。」

「で、将来はそれを小山さんが作っちゃうと。」

「そうですね! それが理想です」

ここはつい声が大きくなってしまった。

他にされた質問の中でこれまた鋭いと思ったのが、以下のようなもの。

「小山さんはどっちなのかな。その、
“サービスを作り上げたい”のか、
“自分のサービスとしてそれを回したい”のか、
どっちに喜びを感じる?」

「うーん… もちろん作り上げていく技術的な過程も好きなんですけど、
どちらかというと、そのもののアイディアを生み出すことに一番重きがあります。
そういう意味では、企画とかそういうイメージの方が近いかもしれません。」

三次面接の面接官の方は、質問が具体的で、
鋭い切り口を持っているなと思った。
何と言うか本質を見極めようとしてるな、って感じ。

後は恒例の質問タイムになったので、
ネットビジネスに関することを聞いてみた。

「今、インターネットの収益モデルって、
大体が広告か、あとは課金か、物販かと思うんですけど、
そろそろ広告とかも飽和してきてるのかな、って印象を受けるんです。

そうしたときに、次の収益モデルは何だろうって考えると、
自分はまだ思いつかないんですけど、
そういう部分にはついてはどう考えていらっしゃいますか?」

ここでは実際の業務の中であったこととか、
面接官の方が考えていることを多く聞けた。
大まかに言うと、
「まだまだ我々の気づいていない収益モデルはある。
何が当たるかは予測不可能だが、そこに面白さがある」

といった感じ。
僕はすごく共感できた。

三次面接はこのようなところだった。
三次の質問は、夢とか将来像とかの考え方を見られているような印象を受けた。
またここでは逆に自分が、その会社の持つ意識や考え方を知ることができた。
面接を重ねるごとに、受かりたい気持ちは強くなる。

就職活動レポート(4) 4次面接 ~ 交流会編に続く。