就職活動レポート(1) 会社選びと下準備

2009-03-01

0.はじめに

就職は自分の人生を決める重要なイベントである。

就職活動を行う期間は、
自分が何をしたいのか、自分には何ができるのか、
そして自分が他人からどのように見られるのかを
知ることのできる良い機会である。

まして新卒採用の切符は人生で一度きりしか使えない。
就職活動を行う学生は、まさに人生の岐路に立たされていると言える。

自分は2010年新卒であり、2008年10月頃から就職活動を始めた。
そして2009年2月下旬に、幸運にも第一志望の企業から内々定をもらうことができた。
その間はやはり、色々と自分を見つめ直し、将来について多く考えた。
また、就職活動で出会った人たちと話をする中で、得るものも沢山あった。

内々定は学生としてのゴールではなく、社会人としてのスタートである。
就職活動の期間における自分の夢や考え方、そして人から聞いた話は
今後プロとして仕事をしていくときの、自分の基盤となるだろう。

そこで、自分が考えていたことを後から見返せるよう、
この時期に行った自分の行動や、面接での応答を一通り記録しておこうと思う。

自分は第一志望の企業しか受けなかったため多くを経験してはいないが、
面接の回数は一般的な企業よりも多く、6次まであった。
ゆえにこの記録は、これから就職活動を行う学生にとっても
多少なり参考になるものがあるだろう。

ただし情報保護の観点から、自分が受けた企業名がわかってしまうような
面接の応答などは省略させて頂くことを予め了承されたい。


1.自己分析と会社選び

自分が働きたいと思う会社を選ぶところから、就職活動は始まる。
自分が会社を選ぶ一番の基準は以下のようなものだ。

自分が会社を選ぶ基準

「自分がやりたいこと」を実現できる可能性が高い環境であるか


ここで自分がやりたいことというのは、現時点では以下のようなものだ。

自分がやりたいこと(自分の夢)

・ 新しくて面白いもの、有用なものを創りたい(ソフトウェアの分野で)
・ 自分の創ったもので多くの人を喜ばせたい
「あー、あれを作った人なんですかー!」って言われたい


自分の創ったもので多くの人にプラスの影響を与える、というのが自分の夢だ。
それは自分の作ったゲームを人にやってもらって
面白かったという感想をもらったり、
演劇をやってお客さんを笑わせたりしたときに、
自分が一番の生きがいを感じるからだ。

しかしながら、夢だけでは仕事をすることはできない。
夢を実現するための技術が必要だ。
企業の方も、技術のある学生とない学生だったら、
ある学生の方をとりたいに決まっている。
もちろん、技術だけで意欲が無くては元も子もないが。

では自分が企業にアピールできる技術や強み、意欲や性質には何があるか。
今一度考えてみた。

自分のセールスポイント

・ 一人でゲームが作れる
・ ものを作るのが好きで、普段からゲームを作って公開している
・ 情報工学科出身なので、情報工学の基礎がある
・ やたらと前向き
・ 演劇やプレゼンが好きで、人前に出るのに抵抗がない
・ 変な遊びを企画するなど、アイディア・コンセプト重視志向


「やたらと前向き」とか自分で言っちゃう時点で、
僕はポジティブな人間だと自分で思っている。
というか友人にも「お前ポジティブだな」と言われる。
どれくらい前向きかと言うと、
アパートに面した駐車場に停まっている車くらい前向きだ。

今のは例えが悪かった。なかったことにしてもらいたい。


とりあえず、やはり「趣味でゲームを作って公開している」というのが
自分の持ち味だろう。プログラムだけでなく絵や曲も自分で作っている
ところが、一般的なエンジニアとの差異になりそうだ。

「自分の作ったもので人を楽しませる」ための手段として、
ビデオゲームというのは手頃な対象だったので、
これまで自分はゲーム制作を趣味で行ってきた。
だから初めのうちは、無難に大手ゲーム会社を受けようかと思っていた。

しかしこうやって考え直してみると、
果たして本当にゲーム会社でいいのか疑問に思うようになってきた。
下手にゲーム会社に就職して、与えられた仕様のプログラムをただ書くことは、
面白いものを作りたいという自分の欲求と利害が一致しないのではないか、
と思うようになってきたのだ。

また同時に、自分は「ゲームを作る」ということにそれほど固執していない
ということに気がついた。僕はただ、新しくて面白いものを創りたいのだ。
ゲームはその中の一例にすぎない。
ゲームという枠組みの中だけで考えていると、何か大きな可能性・発展性を
見逃してしまうような気がした。

そのような考えを経て、自分が最終的に受けようと決めたのは、
インターネットビジネスを行う会社だった。
僕はかねてから、インターネットというのはまだまだ大きな発展性を
秘めている分野だと思っていた。ネットはもはや、無くてはならないほどの存在だ。
実際これからの世の中はネットの存在を無くして、
うまくは回っていかないだろう。

また、「多くの人に触れてもらう」ものを作るためにも、
インターネットの技術は避けては通れない。

もちろん受ける会社を決めたのには他にも沢山の理由がある。
大まかには以下のようなところだ。
本当はもっと具体的な理由があるのだが、
あまり書くと企業を特定できてしまいそうなのでやめておく。

会社を選んだ決め手

・ たまたまメディアで見かけた社長の人柄に惹かれた
・ すでに多くの人に使われるサービスを作っている
・ 社員に魅力を感じる、社風が自分の考えと合う
・ その他もろもろ


その会社には就職活動前から興味を持っていたので、
僕は2008年9月頃にOB訪問のような形で、
社員の方数名と話をする機会を頂いていた。

「社員に魅力を感じる」というのはそのときの経験や、
実際に面接を受けていく過程で社員の方々と話をして思ったことだ。

また敢えて得意分野のゲーム業界を避け、ネットビジネスの業界を選んだのは、
ゲーム業界に進んでしまうと逆に自分の個性が失われると考えたからでもある。
ゲーム会社の面接で「特技はゲームプログラミングです」などと言うのは
何かズレている気がする。

それならば、ゲームとはちょっとずれた路線で、
「ゲームプログラミングもできる」という側面を活かして仕事をした方が、
幅のある、自分ならではの仕事ができるのではないだろうかと、僕は考えたのだ。

ホラ、ただの武闘家よりも僧侶から転向した武闘家の方が、
使い勝手良かったりするじゃん?
(例えが微妙)

※余談だが、ネットビジネス系はこのひとつしか受けるつもりはなかった。
他にエントリーしたのは、無難に大手のゲーム会社がいくつか。

「20社、30社は当たり前」のように就職活動をする人もいるが、
自分にはできないやり方だ。
自分の場合は、本当に興味のあるところに一点集中型。
リスクは高くなるけれども、それだけ真剣になれるし。


2.下準備その1 ~本を読む~

就職活動を始めるにあたって、瀬戸際で技術的なことを勉強しても意味がない。
付け焼刃の対策ではボロが出て、逆に墓穴を掘ることになるだろう。

だから自分が就職活動中にした受験の対策は筆記試験の勉強などではなく、
「色々な価値観や意見をインプットする」ということである。
具体的には本を読んだり、友人・知人・先生と話をたくさんするようにした。

特に就職活動中は普段読まないような本を意識的に読んだ。
普段自分は工学的な専門書や、グラフィックデザインの雑誌などしか読まないので、
もう少しビジネスよりの書籍も読むようにした。

あと一応、参考程度にしかならないが一般的な面接対策の本も読んだ。
具体的に読んだ本は、以下のようなものである。

(※IE以外の方は少し表示が崩れる。申し訳ない)

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策
マーク・コゼンティーノ
ダイヤモンド社
[非公認] Googleの入社試験

徳間書店
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
渡辺 健介
ダイヤモンド社
Google経済学(グーグル経済学)~10年後にトップに立てる新経済学入門~
柴山 政行
フォレスト出版
面接の常識〈2010〉
面接の常識〈2010〉
posted with amazlet at 09.02.27

新星出版社
2010年版 ダントツ面接+エントリーシート ズバリ必勝対策
採用情報研究会
ナツメ社
インターネットビジネス業界 最新事情 ~日本のインターネットビジネスがまるごとわかる
佐藤 尚規
技術評論社
カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 日本経済編
細野 真宏
小学館


あとは無難に就職ジャーナルみたいな雑誌を何冊か買って、さらっと読んだ。
普段よりも「自分ならどう考えるか」ということを意識しながら読むようにした。


3.下準備その2 ~人と話す~

本を読むのもいいが、それよりも友人何人かと語り合う時間の方が、ずっと刺激的だ。
実際、文章を読んでいるときも人と会話をしているときの方が、
脳を沢山使えているような感覚になる。

自分一人で本を読んでいる間は、その本が持つ世界しか見えない。
だが自分とは異なる本や世界を見てきた人と会話をすれば、
一気に広範囲の価値観にアクセスすることができる。

独学ではなかなか知ることができなかったことも、
その道に詳しい人に一言質問しただけでわかったりするものだ。
そう考えると、会話というのは本当にすごい。会話ばんざい。

そこで、就職活動の期間は、意識的に色々な人と就職に関する話をするようにした。
同じ境遇にある同世代の友人に「面接でこう聞かれたらどう答える?」と振ってみたり、
1つ上の先輩から面接の体験談を聞いたり、教官に自分が考えていることを話したりした。

就職活動は年末年始を挟んだが、冬期休暇のときには
ウェブ系に詳しい友人に「俺と一緒にメシを食ってくれ!」
と声をかけてファミレスでダベったり、
正月は大手携帯キャリアで働く親戚のおじさんに
「マーケティングの基本を教えて下さい!」と言って
色々と話を聞いたり、逆に自分の意見を述べたりした。

やはり持つべきものは友人、偉大なるは人生の先輩だ。
入社試験もほとんどは口頭での面接なのだから、
普段から人と意見を交わすことは大事だなぁと再認識した。


4.下準備その3 ~自己アピール資料をつくる~

僕は普段から趣味でゲームを作っている。
これは技術的な意味でも自己アピールに使える材料となろう。
ただ、「ゲームつくってます」と言うだけでは、
実際にどういうものを作っているのかというのは伝わりにくい。

そこで、自分の作品が一目でわかるような資料を作ってみた。

自己アピール資料

小山達矢の作品が一目でわかるレジュメ(PDF形式/1725KB)


DTPソフトで作り、カラー印刷して5セットほどストック。
就活中は、常にこれをカバンの中に2セット以上入れて持ち歩いた。
説明よりもスクリーンショットを優先して載せたので、
これを見せれば僕が作っているもののイメージが直感的に伝わるはずだ。

ちなみに印刷はセブンイレブンのネットプリントが手軽で綺麗。
PDF形式だと文字が出ないことがあるので、高解像度の画像にして印刷した。

この自己アピール資料は一度作っておくと便利。
就職活動以外でも、あまり僕の作品を知らない友人などに
「こんなん作ってるよ!」とアピールできてよい。

またパソコンのわからない祖父母に対しても、これを見せることで
「孫はこんなものを作っており、こういう分野に進もうと思っております」
ということを専門用語なしで伝えられる。

とりあえず、これで最低限の準備は整った。
他にも何かしようと思えばキリがないが、時間は有限だ。
思ってたよりも早く、第一志望の入社試験は始まってしまった。

以下、就職活動レポート(2) エントリーシート ~ 1次面接編に続く。