電車内で外国人に英語で話しかけられた

2008-07-09

先日、劇団の人たちと一緒に、先輩の芝居を観に新宿まで出向いた。
東京はたまにしか行かないが、人が沢山居るし店も豊富にあって面白い。
そして東京には外国人も多い。歩いているだけでもちらほら見かけた。
観光や仕事などで訪れる人も多いのだろう。

僕は英語の習得は重要であると常々考えている。
その日も僕は、そんな外国人を見ながら
「いつか俺も、突然英語で話しかけられても
自然に対応できるような人間になりたいね」

などと劇団の仲間に喋っていた。

劇を見終わって東急ハンズも行って、さて帰ろうという時間になる。
電車に乗っての帰り道、それは起こった。

電車に揺られる俺

レポートや趣味のため睡眠不足になりがちなので、
僕は日頃から睡魔と闘っている。
電車でつり革につかまっている時でさえ、僕は眠りそうになっていた。
ちなみに上の絵はかなり雑だが電車内を表したものである。
以後、こんなレベルの絵が続くがご了承願いたい。

つり革につかまりつつ寝ぼけ眼の俺

電車の単調な揺れに、立ったまま意識が落ちそうになる。
倒れたりしたら大変だと思い、慌てて下を向いていた顔を上げた。
するとその時、向かいの優先席に座っていた外国人と目が合った。

語りかけてきた外国人

目が合うなり俺に向かって語りかけてくる外国人のおじさん。
“Do you speak English?”

…。

…。

ズギャーーン!

意外と早くチャンス巡ってきちゃった!

一瞬慌てる自分。言ってるそばから本当に異国の方が話しかけてくるとは。
こういう時、世界は僕を中心に回ってるんじゃないかと思う。
「そうか、こういう時は普通 Can you ...? じゃなくて Do you ...? なんだな」
と冷静に考えている余裕もない。

一瞬で色々考える俺

しかしどうしよう。こんなことを言ってきたからには英語で質問してくる気なんだろう。
果たして僕にうまく受け答えができるだろうか。
日頃から少しずつ英語の勉強はしているが、僕の英語力なんて高校英語に毛が生えた程度だ。
まして英語の勉強はしても、英会話の勉強などまともにしたことがない。
一体どうしたらいいんだ。TOEIC 405点の僕に、一体が何ができるっていうんだ。

一瞬で色々なことを考える僕。
コミュニケーションに大事なのは沈黙を作らないことだ。
とりあえず何でもいいから返答をしておきたい。
“No, I don't.”でもいいから、何か反応を示すことが相手への礼儀だ。

いやー、しかしアレですね。
いきなり“Do you speak English?”とか言われると人間、

すかさず応答するかっこいい俺

とっさに“A little.”(少しなら)とかいう
決まり文句を返しちゃうもんですね。

(しかも若干余裕のある表情で)

兼ねてからネイティブの人と会話することを夢見ていた僕。
反射的にこのようなことを言ってしまって、後に引き返せなくなった。

ちなみに余談だが、“little”(少ししか)“a little”(少しなら)
結構ニュアンスが違うらしい。
“I can speak English little.”と“a”を抜かして言うと、
「英語はほとんど話せないんで。」という否定的な意味になってしまうとか。
後から思い出したことだが、こんな風に返さなくて良かった。

切符を示しながら質問してくる外国の人

外国の人は「東京→成田空港」と書かれた切符を示しながら、恐らく
「この電車はどこまで行くのか?」という感じの質問をしてきた。
“How far?”とか言っていたからそういう意味だろう。
というかそもそも外国人が電車内で日本人に質問してきた時点で、
そういう質問であろうことは大方予想がつく。

この人は成田空港に行きたいようだ。幸い、その電車は成田行きの総武線だった。
このまま乗っていれば大丈夫そうな感じ。こういう場合、何て言えばいいのかな。
ちなみに僕は木更津に帰るために千葉で乗り換える必要があった。
電車はもう稲毛を出て何分か経つ。快速だったので、次が千葉だ。
僕に残されている時間はあまり無かった。

頑張って適当英語を並べる俺

とりあえず意味は汲んでくれるだろうと思い、適当な英語を並べて答えた。
乗っている電車が成田行きということを伝えたかったので、床を指差して
“This train will reach to Narita.”
と言ってみた。恐らく自然な英語ではないだろう。

外国の人は僕と切符を交互に見ながら
“This train? ...Narita?”
と聞いてくる。
“Yes, Narita. Destination is Narita.”
と頷きながら返す僕。

割とそっけない外国の人

会話終了。

その後僕は何事もなかったかのようにクールに振る舞い、
すぐに千葉で電車を降りたのだが、内心は結構興奮していた。
わずか数秒間の取るに足りない会話だったが、
僕にとっては印象的な出来事だった。
これからは英語の勉強をする度にあの人の顔を思い出すに違いない。

ちなみにその時外国人の隣には、一緒に木更津に帰る劇団仲間の女の子が座っていた。
内房線に向かう途中で、彼女は僕に「やりましたね!」と声をかけてくれた。
ところがその後の道中で先ほどの外国人について会話をしていたら、
彼女は思いがけないことを言った。

劇団員Mさんの証言

劇団員Mさんの証言

「でもあの人の切符、“つくばエクスプレス”って書いてありませんでした?」

えっ

えぇ?

何で総武線乗ってたんだろうあの人…

もし本当にそうだとしたら、不思議な話である。
僕は英語を話すことしか頭になかったので、全く気づかなかった。
大体つくばエクスプレスって私鉄だろ。
僕も最近、つくば大学に学会発表で行く時に乗った。
JRの切符を別途買ったとしても、何故私鉄の切符を持っていたのか。
謎は深まる。

あの人がちゃんとに成田空港に辿り着けたかは定かではないが、
あの電車に乗っていたなら、恐らく大丈夫だろう。
とにかく僕にとっては貴重な経験になった。

と、いうエピソードを学校で友人に語る僕。
もちろんつくばエクスプレスの切符の話もする。
「な、不思議な話だろ?」と言うと、
友人の一人が僕にこう言った。

友人ピエール氏の見解

友人ピエール氏の見解

「ていうか つくばエクスプレス、成田止まらなくね?」

あっ

あぁ!

た、確かに!!

そうだ。よく考えてみなくとも、つくばエクスプレスは成田には向かわない。
その後の友人との話で、「成田エクスプレスだったんじゃね」という結論に達した。
つまりあの人は特急の切符を買ったのに総武線に乗ったのか。
なんだかもったいない話だ。

いつか「あーこれね、特急の切符なんだよね、でもまーこの電車も成田行くしね」
くらいペラペラとまではいかなくても、コミュニケーションが普通にとれるようには
なりたいものである。今はお金がないから無理だけど、社会人になったら
英会話とか通ってみたいものだ。

ちなみに「外国人に英語で話しかけられた日本人がとりがちな行動ランキング」
上位にあるのは、「“Sorry, I can't speak English.”と流暢な 英語を返すこと」らしい。
ちょっと自身がなくてもトライするような、チャレンジ精神を持ちたいものですね。