やりたいときにやりたいことをやる駆動開発

Created: 2013-02-23
Modified: 2013-02-23
Written by Tatsuya Koyama

0. これは何

この文書は平行世界における 24 歳の僕へ向けたメッセージだ。 この記事では

  • 完成も大事だけど、やりたいときにやりたいことをやるやり方もいいかもね

みたいなことを フワッフワした感じ で書く。 イケてる開発手法とかそういう真面目な話じゃないのでご留意のほどを。


1. 人の気持ちは移ろう

バイオリズムとか本当にあるのか知らないけど、みんな多かれ少なかれ波というものがあると思う。 人間もそうだし 世の中の状況だって刻々と変わる から、思ってたこととか信じてたことだってそれに応じて変わってく。 では「波に流されない」ように生きるにはどうするか? 僕は大きく 3 つの方法があると思う。

  • (1) 別の波を作る
  • (2) 波を突き抜ける
  • (3) 波に乗る

(1) は天才タイプ。やるのは難しい。難しいから世の中のたくさんのビジネスマンやアーティストが試行錯誤して頑張ってる。

(2) は努力タイプ。気持ちとか状況の変化を物ともしないすごいスピードで何かをやるとか、 波が来てもその場に踏ん張って粛々とやり続けるとかだ。やるのはしんどい。

(3) は柔軟タイプ。世渡り上手。そのとき盛り上がってることを点々とやっていく感じ。やるのは気楽。

僕は最近まで「やりきることが大事」って考えに縛られて (1) とか (2) のやり方を目指してたんだけど、 プライベート・プロジェクトに関しては (3) でもいいのかな、と思えてきた。

2. 一見芯があるようでも

例えば僕は基本的にゲームつくりたいなーと思って生きていて、 実際仕事もゲームつくる系だし趣味でもゲーム作ったりするんだけど、 大まかな方向性は定まってても、細かいところでは色々ブレたりもする。

ゲーム開発1つとってみても、新しいゲームのネタを考えたい時期とか、 ゲームのフレームワーク部分を整えたい時期とか、立ち戻って設計やコーディングの技術を勉強したい時期とか、 多人数開発のワークフローを良くしたい時期とか、見た目や演出に凝りたい時期とか、 実に色々なフェーズがある。

気分の浮き沈みも当然あって、フロー状態で朝方までプログラミングに没頭するときもあれば、 もやもやして手当たり次第に世の中のゲームさわってみる時や、 全然やる気が出なくて真っ暗な部屋で電子ピアノを弾き続けたりするときもある。

絵を描きたいなってときもあるし BGM を先に作りたいなってときもあるし、 いややっぱストーリー展開じゃねってときもあれば何言ってんのゲームは手触りでしょ、ってときもある。 ああ今日はもう飲みに行って誰かとダベりたいなってときもあれば、 一人部屋にこもって打ち込みたいときもあるし、やっぱりみんなで集まって何かやりたいときもある。

でもまあそういうものかなとも思う。 人間だもの。 気持ちが移ろいやすいのが人間の性分ならば、それを受け入れるというのも一つの作戦だ。

3. やりたいときにやる作戦

3.1 最近やったこと

2012 年の秋くらい(Mr.WARP を出した時期)「ゲームをさくさく作って出すぞー」みたいに意気込んでたんだけど、 思い直して 2013 年は「やりたいことをやりましょう」みたいな気持ちになってる。

家でプログラムも書いてるけど、最近はふと思い立って曲作ったりこういう記事書いたりすることが多い。 あと友達と集まって絵描いたりとか。 参考までに、サイトをリニューアルしてからのコンテンツ。

3.2 やってたけど今飽きてるもの

Mr.WARP 以降、また新しいゲーム作ろうと思ってちょこちょこやってるけど、まだ完成してない。 最初にやろうと思ったのは「ハジマリのゲーム」という名前の雰囲気ゲーだ。 「ゲームとは何か」みたいな 物議を醸す系ゲーム にしようと思ってた。


絵を描いてタイトル曲作ってストーリー展開みたいなところまで考えたんだけど、 作ってるうちに「これ面白くねーな」ってなって、いったん投げた。 プロトタイプを身近な人に見せたりもしたんだけど、みんなピンと来てない感じだったし。 たぶんいつか気が向いたら全然違うゲーム性で作り直すと思う。

で、難しいこと考えるのやめようと思って次に作ろうとしたのが 降り注ぐ猫をカゴに入れていく カジュアルゲーム。


なんていうか 猫かわいい よね。タイトル画面の猫は実家の猫。 これは動画でも公開してるように曲もしっかり作ったので、 軽いアップグレード要素みたいなのくっつけて形にすると思う。 寝つけない夜とかに少しずつプログラム書いてる。

3.3 直近やりたいもの

猫のゲームを差し置いて今やりたいのは、配られたカードでやるローグ みたいなゲーム。 前からやりたいと思ってたもの。以下は 1 時間くらいで描いた画面イメージ。


ソーシャルゲーム作るような仕事してる僕が言うのもなんだけど、 今の世の中ってなんちゃってカードゲームたくさんあるじゃないですか。 あれってトレーディングカードゲームの「ブースターパック開ける瞬間の楽しさ」みたいなものは ガチャとかいうシステムで実現できてると思うんだけど、 カードゲーム本来の「配られたカードで場を切り抜ける醍醐味」みたいなものはまだ実現できてないと思ってる。

そういうこと考えてたら、そもそも自分はトレーディングカードゲームをちゃんとやったことないなぁと思って (子供の頃に遊戯王カードやってたくらい)、じゃあ本家 マジック・ザ・ギャザリング をやってみますかという話になって、 最近になって友達と始めてみた。最初は ふーんなるほどねー という感じだったけど、 何回かやっていくうちに面白さがわかってきた。 カードの個性の出し方とかレベルデザイン、ゲームの長期運用的な部分もすごく勉強になる。

カードは面白いけど、そのままだとやっぱりゲームをやる人のためのゲームって感じ。 こういう面白さをできるだけカジュアルにやれるようにするのが僕らの仕事だ。 僕も自分の信ずるものを、みんなが受け入れてくれるレベルで形にしたい。 iPhone アプリの Dungeon Raid ってゲームに着想を得て、パズドラ という大ヒット作が生まれたようにね。 (Dungeon Raid はめっちゃ面白い名作だけど、パッと見が日本人にとっつきやすくはなかったゲームだ。)

4. プライベートは気楽に

ということで僕の場合は、趣味の創作は思い立ったときにやるくらいの気楽な感じでいいかなと思う。 よく考えると GENETOS だって、作り始めてから完成するまでの間に 4 本くらい別のゲームを完成させてる し。

期限を決めてストイックに何かを作るのもえらいんだけど、気力と体力は消費してしまう。 そういうやり方は仕事の方だけでいいかなぁという感じ。 逆に言えば「気が向いたときに好きに作ってウケたらラッキー」みたいな温度感でゲームを作れるのは、 趣味開発だからこそのものだ。

でもね、僕はそういう作り方こそが「それまでに無かった面白さ」を作り出せる可能性を秘めてるんじゃないかと思うんだ。 みんなプロとしていいものを作ろうと思っていても、仕事での開発にはたくさんの悪魔が潜んでる。 ビジネス背景とか、会社の業績とか、関係各社との信頼関係とか、複雑な人間関係とかね…! そういうものから解き放たれた創作の時間を持つのも、ものをつくる人には大事なんじゃないのかなぁ。

みんなもやりたいと思ったタイミングでやってみようぜ!